虚無の上澄み

旧枠モダンなど、カジュアルなMtG関係の日記(?)…のはずだったんだけどなあ…。

【旧枠モダン】第7回GP振り返りと緑単ストンピィ

 お久しぶりです。さる7月21日、7回目となる旧モGPが開催されました。選択したデッキは緑単ストンピィ、理由は手持ちを比較した上での消去法ですハイ…。ともかく、その緑単で初となるSE進出を果たし、準決勝敗退と言う結果に終わりました。

 

 と言うわけで、今回は現旧モ環境における緑単ストンピィの話などしていきたいと思います。

 

目次

1.現在の旧モ環境

2.持ち込んだリスト

3.渡れ!

4.喰らい付けTier1!

5.今後の改善点

6.おわりに

 

1.現在の旧モ環境

 さて、前回のGPから先日のGPまでの間にモダンホライゾンと基本セット2020と、旧モ環境を激変させるに足る2つのパックが世に出たわけですが、実際どう変わったのかを見て行きたいと思います。 

hirobo-1996.hatenablog.com

▲モダンホライゾン発売後の各カードレビューと環境予想はこちら

 

 当日の準決勝終了後の運営の発表ツイートを見てもらえれば分かるとおもいますが、最大勢力となったのはゴブリンでも青白コンでも青白ビートでもなく、《起源》を軸としたロングゲームを見据えた各色のコントロールデッキでした。《花の壁》をはじめ優秀な壁クリーチャーによる高い対ビートダウン性能、《クローサの大牙獣》でアドバンテージを得やすく多色化も容易と、様々な型が試されるのも納得ですね。緑白を中心とすれば《神の怒り》、青を足せば《嘘か真か》で更なるアドバンテージが。赤であれば《なだれ乗り》をはじめとしたランデス《稲妻》等各種優秀な火力が。当日は4人中3人がSEへ進出、それぞれが違う色だったのも注目すべきポイントですね。そして決勝も《起源》コントロール同士の対決となりました。

▲公式の集計。多少不正確ですが運営の片手間故ご容赦を。

 

 《起源》コントロールの隆盛には昨年九月のリーススレショの躍進を思い出すものですが、今回は高速ビートダウンデッキの減少も見過ごせない点でしょう。ゴブリン1、青白ビート3、緑単ストンピィ1とわずか5名に留まりました。以前までの常連であったステロイドはまさかの不在。青白コントロールも今回はアドバンテージ等の面で不利であったのか決勝進出は《ガイアの祝福》をタッチした独自の調整がなされたもの*1一つとなりましたが、それでも3名が選択しています。

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新たな王となるのか

 

 結果として当日は《起源》コントロールが勝ちやすい環境だったのは確かですが、支配的とはまだ断言できないと思います。《起源》コントロール自体がそれぞれでまったく違った調整がなされていますし、まだまだ研究の甲斐がある環境だと思います。まさしく、モダンホライゾンは旧枠モダンに新たな地平をもたらしてくれました。

 

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2.持ち込んだリスト

 カジュアルフォーマットの環境予想とかどうでもいい方もそうでない方も。お待たせしました、下記リストが当日持ち込んだ物になります。

Main(60)

Creature(22)

3《猫族の戦士ミリー/Mirri, Cat Warrior》

4《狩りをする恐鳥/Hunting Moa》

4《エルフの戦士/Elvish Warrior》

4《リバー・ボア/River Boa

3《鋼胴の甲虫/Ironshell Beetle》

4《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》

 

Sorcery(4)

4《獣群の呼び声/Call of the Herd》

 

Instant(4)

4《巨大化/Giant Growth

 

Enchantment(7)

3《ブランチウッドの鎧/Blanchwood Armor》

4《怨恨/Rancor》

 

Land(23)

19《森/Forest》

4《樹上の村/Treetop Village》

 

 

Side(15)

Creature(7)

3《スパイクの飼育係/Spike Feeder

4《胞子カエル/Spore Flog》

 

Sorcery(2)

2《踏み荒らし/Overrun》

 

Instant(4)

4《帰化/Naturalize》

 

Artifact(2)

2《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》

 

 基本的には至ってオーソドックスな緑単ストンピィです。《大地の怒り》《ロウクス》などのフィニッシャーになりうるような大型獣は安定性のため不採用です。そんな中異彩を放つのは《猫族の戦士ミリー》でしょうか、こちらは次の章で重点的に解説したいと思います。サイドボードは個人的には反省すべき点の塊なんですが、前日急遽投入した《トーモッドの墓所は大正解でした…。実際にその効果を活かせたことはなかったのですが、《起源》系のデッキの隆盛具合から考えれば正解だったと思います。《地の封印》ではないのは完全に存在を忘れていたからなんですが、結果的に《ガイアの祝福》もしっかりケアできる体制になっていたのは不幸中の幸いでしょう。

 

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3.渡れ!

 さて、実を言うと今回は調整らしい調整と言うのは先述した《トーモッドの墓所の追加くらいだったのですが、前々からの予想通りの環境になってくれたのがSE進出の主な理由だと思います。そう、《起源》系デッキの隆盛によって環境に《森》が増えたことです。

 

 フリプなどに付き合っていただいた方々は知っての通り、僕はモダホラ発売前から《猫族の戦士ミリー》(以下ミリー)入りのストンピィを試していたのですが、「モダホラ後は環境に森が増えるからミリーは絶対強い」と言い張って聞かなかったことを覚えているかと思います。今回見事にその予想は的中、戦闘に強くかつ場合によってはアンブロッカブルになるクロックとして重宝しました。MVPこそ《リバー・ボア》ですが、その存在は相手を大いに苦しめてくれたと思います。

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※タフネスは3です

 

 二種の渡り持ちクリーチャーは単にクロックを稼いでくれるだけでなく、除去が苦手なデッキ相手にはセットランドを制限することによるテンポ面でのアドバンテージを生み出せることも見逃せません。まあそれを活かせたのかと言われるとノーなんですけどね!

 

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4.喰らい付けTier1!

 次は僕が個人的にトップメタと目する幾つかのデッキ、それらとの相性を考えていきたいと思います。

 

その1 ゴブリン

 単純にダメージレースの勝負となります。相手が《ゴブリンの手投げ弾》を大量に引き込んだりすると流石に絶望的になってきますが、それはこちらの《ブランチウッドの鎧》も同じこと。《ゴブリンの首謀者》によるアドバンテージの差は埋めがたいものですが、詰めの局面以外では首謀者はそんなに嬉しくないのでは。気を付けたいのは《稲妻》をはじめとした各種火力呪文。こちらの生物を除去され続けると基本的には苦戦を強いられます。まあその分相手のクロックも減っているのでゴブリンだけに五分五分と考えましょう。初手は生物多目を意識すること!

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特攻に注意!

 

その2 青白ビート

 こちらもダメージレース勝負になるかと思います。気を付けたいのはやはりピキュラこと《翻弄する魔道士》。ピンポイントに《怨恨》等指定されようものなら苦戦は必至でしょう。単純に唯一のアドバンテージソースである《獣群の呼び声》を指定されるだけでもだいぶ辛いんですけどね。十中八九情報なしの段階ではそこを指定されると思うので、サイド後は思い切って抜くのも手。相手が島をセットしさえすれば《リバー・ボア》で悠々アタックできるのですが、それは相手の《金切るときの声》で出てくる鳥トークンも同じこと。サイドには《毒吐き蜘蛛》等の飛行対策取っておきたいところ。基本的にはクロックは勝っています、いかにダメージを通すのかがカギです。

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戦場を埋め尽くす鳥

 

その3 青白コントロール

 青白第2段です。こちらは《神の怒り》を打たせることを意識した展開が肝要です。と言うかどうあっても4ターン目には打たれると思ってください。なので《巨大化》は打てるなら序盤で打ち尽くすくらいでいいです。抱えれば抱えるだけ相手のマナが伸び、構えられるものも増えるため打つタイミングがなくなります《神の怒り》で更地になったら《樹上の村》で素早くゲームを〆にかかってください。もたつくと《翼の破片》で処されます。とにかく《巨大化》はとっとと使って下さい、ストーム稼がれるのもしゃくですし。《翼の破片》ケアを意識して、《ラノワールのエルフ》《鋼胴の甲虫》もブロックされることがわかっててもしっかりアタックに参加させましょう。《樹上の村》落とされたら基本的に負けなので。

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"白い布告"

 

その4 《起源》コントロール

 とりあえずミリーの攻撃が通り始めれば勝ちます。《クローサの大牙獣》《不屈の自然》に頼ったタイプではマナベースの《森》が占める割合も増えるでしょうから、積極的に狙っていきましょう。ただ、それ以外のクロックは《花の壁》をはじめとした各種壁に引っかかりますから、パワー5以上を作ることを意識してください。青白コントロールでも言えることですが、ミシュランのブロックを誘い出すくらい圧をかけましょう。ミシュラン落とせればそのままランデスにも繋がりますからね。

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そびえたつ壁

 

 こんなところでしょうか。汎用的なテクニックになりますが、黒が弱く赤が強い環境ですのでタフネス4を作ることは強く意識してください。赤が見えたら《巨大化》は抱えましょう。対コントロールでは前述の様にとにかく対処を迫るように動いてください。

 

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5.今後の改善点

 と言うわけで反省コーナーです。当日はライフを詰め切れず負けるという場面も少なくなかったので、いうなればパンチ力・突破力、そこを伸ばすことが現在の課題ですね。

 

 メインだと、《鋼胴の甲虫》は決して弱くないのですが修正値が1なことはやはり見逃せない弱点。ここを1枚《ブランチウッドの鎧》に変えるのは悪くないと思います。

 

 サイドボードは全体的にどうしようもないですね…。《スパイクの飼育係》は一度もサイドインしない始末。《踏み荒らし》はこのデッキには重いし、2枚は少な過ぎました。半端なサイドボーディングの手本みたいな失敗ですね。今回の敗因を踏まえて、サイドに欲しいものは墓地対策に置物破壊、ブロッカーを乗り越える手段と飛行クロック対策あたりでしょうか。まさか2019年にもなって真剣に《寄せ餌》を検討するなんて思いもしませんでした…。《スパイクの飼育係》《踏み荒らし》の枠にどう収めるか、要検討。

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正気か?

 

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6.おわりに

 やっぱ対処を迫るデッキは握ってて気が楽だなあと言う当然の再発見がありました。サイドの方針もしっかりと決まったことですし、しばらくは手に馴染むようにこいつを調整する事になりそうです。

 緑単の持つシンプルさ故のポテンシャルの高さはまだまだ通用します。皆さんも是非、試してみてくださいね。では!

 

参考

old-flame-modern.hatenablog.jp

▲旧枠モダンでの緑単ストンピィのおこり

 

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*1:作成者の解説ブログは必見