虚無の上澄み

旧枠モダンなど、カジュアルなMtG関係の日記(?)…のはずだったんだけどなあ…。

令和の旧モザックリ語り

 お久しぶりです。モダンホライゾンのプレビューも終わり、MF横浜のサイドイベント時以上に旧枠モダンに興味を持ってくれている方が増えたように感じます。いちプレイヤーとしても嬉しいことです。

 

 さて、39枚の追加を経てこれからどんなデッキが台頭してくるのか等々。そういったことを今回はノンストップでダラダラ書いていきたいと思います。つい先日にも「令和の旧モ」と称してフリプ会をしたのですが、そこでの発見もガシガシ混ぜていきたいと思います。

 

 モダンホライゾンのプレビュー開始早々公開された《嘘か真か》。これによって多くの旧モ勢は終焉を覚悟しました。有識者はご存知の通り、平成の旧モは青白コンが強かったので来たら終わりだろうと言われていたカードの一枚ですね。《霊感》や《好機》などの今一つと言った強さのドロースペルが改善されたらそれこそ打つ手なしだと思われていたわけです。それに加えて《除外》とか《解体の一撃》とか《翼の破片》が来ましたからね。妨害したならアドバンテージを失ってくれ。なんだ置物を破壊して2ドローって。キッカーが6マナだとしてもやって良いことと悪いことがあるだろ、喰らったら流行のワザップジョルノみたいになってしまう。

 さて、そんな青白コン強化パーツ共ですが、個人的には《除外》と《翼の飛来》の二枚がヤベーなと思います。ドローの質が上がることは間違いないんですけど、ハンドに加わるのは前と大して変わらないですからね、なんだかんだ主催が時間かかることをとにかく気にするようになるくらいじゃないかと。カードめくれてどうこうよりも、《除外》でガッツリテンポを稼がれることが何より厳しくなりそう。でも3マナカウンター渋滞気味だし3マナの生物は《獣群の呼び声》だしあんまり環境にあってない?うーんわからん…。《翼の飛来》は間違いなく展開してから殴る場面の多いゴブリン相手にぶっ刺さるのでヤバそう。青白コンはこのまま地位を確固たるものにしてしまうだろうか?

 

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アドバンテージの鬼

 

 旧モで青白とか白単っていうとどうしてもコントロールをイメージしがちですけど、《金切るときの声》の登場でそれも分からなくなってきましたね。今までのウィニーは《革命家チョー=マノ》と《最下層民》コンボを搭載したりと白コントロール同様「相手を詰ませる手段」との併用でライフを攻めつつ負けなくなる、みたいなデッキだったんですけど、これからはヤバいですよ。《栄光の頌歌》の存在も考えれば4ターン目に一気に打点が8点も増えます。4マナでやって良いことではない。でもやっぱり新しいタイプのデッキが出てくるのは楽しいですよね。相性の良さから《急降下するグリフィン》の評価が上がるかも?

 白単で組んでもいいけど青白ウィニーも面白そうです。上記《嘘か真か》で息切れを防げるし、《大クラゲ》も使えます。象トークン蔓延る旧枠モダンなら、ただのバウンスでも大きくテンポを稼げること間違いナシ!青白なら《栄光の頌歌》の支援を受けて象トークンとも相打ちが取れるのもなかなか嬉しいところです。まあアンセムあるなら《ヴェクの聖騎士》あたりの先制持ちで落とせばいいんですけど。

 

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ウィニー革命

 

 

 ビートダウンと言えば忘れちゃいけないもう一つの注目株!ウィニーも見て行きましょう。いや、本当に得たものが大きい上に多いんですよ。Pauperでお馴染みの墓所のネズミ》《発掘》、エターナルでも活躍する優秀なサクり台である《屍肉喰らい》。全部コモンのくせに強すぎる…。いや本当に強いんですよコイツら。今まで黒ウィニーは《不吉の月》を勘定に入れてもどこかモッサリしていて、とてもトップを掴みに行けるだけのパワーは無かったんですよね。でもこの3枚の加入で大幅に改善されました。まずもうライフを攻めるスピードが違う。《不吉の月》でタフネス上がった《墓所のネズミ》がティムみたいに射撃をしまくるしそもそも《墓所のネズミ》に巻き込まれそうな生物は《屍肉喰らい》に食わせればいいし、死んだとしても発掘で即座にリカバリーできるし…。ライフを詰める速度が速すぎる。なんなんだ一体。それぞれがとても器用に立ち回るので対処もかなり難しいのがとてもいやらしい。対処しても《発掘》で帰って来る。なんなんだ一体。《屍肉喰らい》の存在が大きいこともあり、《アンデッドの王》なんかも組み込んで部族ゾンビ風にするのも強そうです。何より、《萎縮した卑劣漢》を採用できるのがこれからの環境ありがたいです。

 

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ぶっちぎり

 

 そうそう、もう一つ忘れてはいけないのが所謂黒緑ハスク系のデッキですね。《屍肉喰らい》の獲得により《ナントゥーコの鞘虫》と併せて軽いサクり台が八枚体勢になったのは非常に大きいですし、何より《発掘》で簡単にサクった生物を戦場に戻せること。想像してほしい。《狩りをする恐鳥》が《発掘》で戦場と墓地を行ったり来たりする所を。正直侮っていました。あんなに打点が高いなんて皆思ってなかったと思います。

 

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たまには堕天使のことも…。

 

 ともあれ、今後はこれらの黒いビートダウンも増えそうです。元から評価高かったわけではないんですが、《恐怖》系統のカードは更に評価を落とすことになりそう?他に優秀な除去ももらってるから余計に。

 

 

 と言うわけで、黒が続いてしまうんですが《悪魔の布告》《冥界のスピリット》を迎えた黒系のコントロールにも触れておきましょう。いや本当に嬉しい。布告除去使うとなると今まで《残酷な布告》使ってましたからね皆。やっぱり並ぶ前にスタックして除去できたり、速攻持ちを捌けることの安心感は段違いです。ただ他の除去の選択肢もそう豊富なわけではないので、布告二種の体制にするのも手かも。《冥界のスピリット》は自分がわざわざ触れることも無いでしょう。しかし《冥界のスピリット》を取る方がいいのかそれ以外の小回りの利く生物を取る方がいいのか…。黒単に限っても《よじれた嫌悪者》がいますし、他のカラーのコントロールでも《堅牢な防衛隊》など採用したい生物は少なくない、ハズ。もっとも、その取捨選択もデッキ構築の醍醐味!とりあえずネザー採用型の黒コンは感触良いのが一つできましたので近いうちに紹介できれば。

 

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黒コンも増えるかな?

 

 

 白青黒と続いて紹介してきたので、お次は赤に参りましょう。まずはなんといっても《ウルザの激怒》!単純に追加の3点火力として考えてもありがたい一枚です。キッカー込で唱えるとなるとウルザトロンに頼ることになりそうですが、それはそれでなんか妙にエモい。環境に居座る青白コンをぶち抜ける一枚なので期待大。でも一緒に《金粉の光》と言う打ち消しでも軽減でもない対策が再録されているのは面白いところ。(元から《象牙の仮面》があるしそもそも絶対開発はそんなことは考えていない)

 先日のGPでも赤緑トロンが結果を残したことですし、その手のトロンにはじまり多くの赤いデッキで見ることになりそうです。ほかにも《溶岩の投げ矢》《炎の稲妻》と、フラッシュバック付きの火力を二種類もらえたことですし、赤いデッキはメインサイドともに何をメタるかで採用するカードに好みが出そうです。個人的には《溶岩の投げ矢》は悶絶モノですね…。

 

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選り取り見取り

 

 そして火力だけではありません!メタゲーム上位にいるゴブリン《ゴブリンの女看守》を新規に獲得しました。ゴブリンデッキだけでなく、様々なデッキで《包囲攻撃の司令官》の水増しに使われるかも?ただ同時に《エラダムリーの呼び声》も公開されていますし、基本はゴブリンデッキでの登用になりそうです。なんにせよ《ゴブリンの戦長》を続々戦場に呼び出されたら一たまりもないですね。アグロデッキ待望の《無謀なる突進》も注目の一枚。コントロールを追い落とせるでしょうか?爆発力に期待がかかります。そして忘れちゃいけないのが《略奪》!黒緑ランデスを使っている立場からすると赤緑ランデスがうらやましくもあり。旧モにおける《略奪》に関しても長々語りたいことがあるので、また別な機会にじっくり。

 

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デッキの幅が広がる

 

 

 続いて緑。ここも環境を激変させる一枚が。そう、《起源》のエントリーです!墓地に落とす手間はありますが、同時に獲得した《クローサの大牙獣》《花の壁》ともども消耗戦に強いデッキを構築できそうです。実を言うと青白コンが相手の墓地に触る手段と言うのが《トーモッドの墓所》くらいしかないこともあり、こちらも青白コンを食うことが期待されていたり。上記の三枚のパッケージを用いた緑系のミッドレンジはかなり自由に組めそうで、文字通り色々なタイプが出てくる予感。《クローサの大牙獣》なんかはトロンでも採用が出来そうです。ただしその手のデッキは序盤の立ち上がりが弱点。マグロになってしまわないよう、各々の構築力が試されるところ。余談。象を消滅させる《大クラゲ》やキャッチできる《花の壁》が新たに加わったことで《獣群の呼び声》が評価を落とし始めたのは驚きました。まさか象がその地位を追われるなんて…。まああくまで理屈の上での話なので、普通に対処しようとすると恐ろしくしんどい

象は許さない

 

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クソデブデッキを作ろう

 

 緑はほかにも《敏捷なるマングースの再録は大いに話題になりましたね。旧枠モダンでは3/3はすぐに象と相打ちしてしまいますが、コイツを《起源》で回収し続けたらと思うと中々に空恐ろしいことに。既存のリーススレショには一緒に入ってそうですね。《秘教の処罰者》の方がフィニッシュ性能は高いけど。でも青白コンを見るならこちらに軍配が上がるかな?他にも起源で回収すると面白そうなのが《胞子カエル》です。単純に追加の《濃霧》と考えてもいいですし、戦闘では死ななくなるのでコンボデッキのサブギミックとしてどうでしょうか?《永劫の輪廻》との組み合わせも面白そうです。輪廻カエルって書くとすごい遊戯王っぽい。話は前後しますが、《花の壁》の獲得でステューピッドグリーンも再現できるようになりましたね。《起源》や《再供給》と合わせて墓地利用を後押しする《新たなる芽吹き》も獲得したことですし環境に森が増えそう。《エルフのチャンピオン》擁するエルフデッキや緑単アグロの《猫族の戦士ミリー》は今後見かけるかな?(少なくとも自分はミリーを使います)

 

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墓地対必至!

 

 

 さて、多色とファクト、それと紹介に困った面々もまとめて残りもザックリ行きましょう!

 

 まずはコンボ!《胞子カエル》や《起源》、更には《発掘》の獲得により現実味を帯びてきた《永劫の輪廻》コンボ。そこにもう一つ加わったのが《狂気の祭壇》です。《陰極器》+《永劫の輪廻》+《狂気の祭壇》で無限LOになります。そしてもう一つの注目株が《リスの巣》!ミシュラランドをはじめ土地を生物にする手段には何故か事欠かない上に《侵入警報》もプールに存在しますので、リスアラームが組めそう。いつのどんなデッキだよリスアラーム。無限トークンからどう勝つのか?でもまた好みが出るところ。

 《エラダムリーの呼び声》が来たのも大きな収穫です。と言うかインスタントなのおかしくない?今まではシルバーバレット戦術を取ろうとすると《奇妙な収穫》に頼らざるを得なかったのですが、今後はこちらに枠を譲ることになりそう。トリーヴァコントロールなどで《神秘の蛇》を引っ張ってきたり、リーススレショで《包囲攻撃の司令官》や《秘教の処罰者》などのフィニッシャーや《荊景学院の戦闘魔道士》のような優秀な除去を持ってくるのもよし。緑白ならまず考えるべきカードになりそうです。コンボデッキでも必要な生物を探してくるのにも重宝しそう。

 

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コンボの夏到来なるか

 

 オンスロートサイクリング土地サイクルはタップインが許容できるデッキなら問題なく入りそう。悪用する手段となると中々ないけれど、単純にスレッショルド達成を目指すのにも悪くない、のかなあ?でも根囲いで加わった土地が土地以外のカードに化けるのはすごく強そう。

 

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サイクリング丸ごと揃っているのは少なかったりする

 

 《未来予知》はいろいろと使いどころがありますよね。単純に青の混じったコントロールにアドバンテージ源として投入してもいいし、殴るデッキでの息切れ防止に《実験の狂乱》のような使い方もアリ、かも。にしても設置に5マナかかるので安定した運用は難しそう。元からエンチャントへのヘイトが高い環境で生き残れるだろうか?

 

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可能性の一枚

 

 残りはちょっと評価の低い連中を挙げて終わり!《エルフの激憤》は流石に使いまわせるからと言ってこの修正値は物足りない。でも《稲妻》をはじめ火力から生物を守りたくて仕方がないデッキなら追加の《巨大化》として居場所を見つけるかもしれない。《締めつける綱》はなんだかんだ言って青いコントロールには自然に入りそう。《新たな信仰》と好みで選択するくらいには強いカードだと思うけれども、環境で見ることになるだろうか?《避難》は相手が単体除去多目ならサイドからの活躍ありそうですよね。アドバンテージを失わないのはそこそこ魅力的。《禁制》はやっぱりちょっと物足りない。3マナ域の強いカードに間に合わないことが何よりのネック。《金粉の光》は流石に《象牙の仮面》でよさそうだし、《再建》は《ハーキルの召還術》すら使われていない環境なのでかなーり怪しい。《ナントゥーコの養成者》はなんかもう一声あれば強かったかもしれない。

 

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活躍の時は来るだろうか?

 

 

 ここまで一通り追加カードに触れつつこんなデッキが出てきそうだなと予想をしていきましたが、前述したフリプ会に実際に持ち込まれたデッキもチラホラ。挙げていないものだと他にもドレッジなんかが組まれていましたね。《敏捷なるマングース》と《悲哀の化身》がズラズラ並ぶドレッジは旧枠モダンだけ!はじめてあのデッキ見たときは謎の感動に襲われました。すごいんですよ本当に。一度体験してみてほしい。

 

 これらを踏まえて。新環境は墓地利用が流行しそうです。早いデッキならそこまで気にしなくてもよさそうではありますが、ゆっくり目のデッキでは《起源》の生み出すアドバンテージの前に一方的な消耗を強いられることでしょう。《冥界のスピリット》や《発掘》なんかも多く見ることになりそうなので墓地対策は基本になりそうです。もうメインから積んでもいいくらいだと思います。《起源》系のデッキはマジで大流行しそうなので前述の森渡り持ちのクリーチャーが勝負のカギを握る局面も出てくるかも?また、妙に皆ビルダー気質なので今まで実績のあまりない黒緑の組み合わせに可能性を見出す傾向があるかな?と思ったり。ハスク、ドレッジにはじまり《起源》系のミッドレンジと墓地をいじるならやっぱり黒緑と言った感じになりそう。でもリアニはどうなんでしょうね、やっぱり《秘教の処罰者》擁する白緑になりそう。

 

 新たなアーキタイプの誕生、隆盛によって皆さんが最初に認知した時であろう12.5%の衝撃は今も健在、いやそれどころかより混沌とした時代に突入しようとしています。次のGPで頂点取るのは下馬評通り青白コンか?ゴブリンか?それとも他の何かか!?七月も目が離せません。場合によってはM20で再録されたものも加わりますからね。本当に予測不可能な領域にあります。旧枠モダン、始めるなら今しかない!カジュアルフォーマットのくせにやたら情報が充実しているから始めやすい!自分だけのデッキを組むのも勿論、懐かしのあのデッキの再現だって出来ちゃいます。ストレージ、ひっくり返してみませんか?ではまた!

 

↓旧枠モダン関連の情報収集に関してはこちらでまとめています

hirobo-1996.hatenablog.com